出張先。鳴り出す私用の携帯。
「どうもどうも久しぶり。元気?」
着信の相手は中学高校時代の同級生。
仙台から山形へ転勤し早や15年。学生時代の同級生ともすっかり疎遠になり、唯一の繋がりだった年賀状のやり取りも時代の流れとともにごく自然にフェードアウト。
「今年高校卒業して30年だからさ、同窓会やろうかって話が出ててね」
「ていうか10年でも20年でもやってないじゃん。なんで30年なのよ?」
「いやわかんない 笑」
中学高校の青春時代を幸か不幸か男子校でともに過ごした仲間たち。
疎遠になってもたった一度の会話であの頃と同じ関係に戻ります。
「〇〇は学校の先生らしいよ」「常勤になったんだね、よかった」
「××とは子供同士が同級生でさ」「うちの子供この春から大学生よ」「マジで!?」
「△△がやってる焼き鳥屋行った?」「さすがよく知ってるね、まだ行ったことないんだよね」
「☆☆の連絡先知ってる?繋がらなくて」「結構前に携帯変えたよ」
「◇◇は会社起こしたんだよね?Facebookで見たよ」「Facebookて」
この時代にショートメールを駆使し、家電から折り返しが来るアナログ世代の体たらく。なんとかLINE IDを交換し、止まっていた時間が一気に動き出す、そんな小さな感動がありました。
思えば社会に出て以来それぞれが忙しく、会う機会も減り、唯一集まる場所といってもいい同級生の結婚式ですらその最後は20年も昔。
それぞれが社会へと出てそれぞれの環境で過ごした30年。それぞれに大事な人ができ大事な仕事にも巡り会ったことでしょう。
もう30年。どこか遠くへ旅立ってしまった友もいます。
「いやお盆は勘弁してよ!その時期は忙しいから俺出席できないよ!」
スマホの向こうから大人になった友の声が聞こえてくる。彼には彼で事情がある。そう、大人だからみんな事情がある。30年前には無かった事情がそこにはある。そんな彼らを友達としてとても頼もしく思います。
コンビニで買った妙に甘いスパークリング日本酒を口に含みながら考えた。
本当に開催するのか。できるのか。何人集まるのか。そんな場所はあるのか。顔と名前は一致するのか。俺も自信は無い。忘れられてたら「ほら、あの、レスリングをやってた」とか言えばいいのか。一人一人の挨拶はあるのか。何を着ていけばいいのか。夏ならTシャツか。手ぶらでいいのか。大人なのに。そもそも誰が幹事か。会費制か。だいたい東北学院の一学年なんて何百人いるんだ。理系とは学力の壁があったからわれら文系だけでの開催か...。
「じゃあ明日も頑張って。ご家族にもよろしくね。」
30年前には出てこなかった別れの挨拶。
酔いも手伝い、ワクワクと元気をもらった素敵な横浜の夜となりました。
山形営業所 佐藤
posted by 日本眼科医療センター at 09:53|
日記
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